若々しく見える人の肌の秘密
赤ちゃんの肌はちょっとした引っ掻き傷なら数日で消えてしまいます。赤ちゃんの肌再生力には驚かされます。しかし、年齢を重ねると、乾燥、カサつき、ハリ、シワが徐々に気になってきます。肌老化は25歳から始まると言われているため、生活環境や加齢による再生力低下は避けられません。だとしても、年齢のわりに若々しく見える肌の方がいます。「どんな化粧品を使っているのか」「何か特別な事をしているのか」と聞きたくなってしまいます。この差はどこから生まれるのでしょう。
肌は表皮と真皮と皮下組織
- 表皮
- 皮膚の外側にあり、外的刺激から肌を守る役割があります。表皮は「角質層」「顆粒層」「有棘層」「基底層」という4層から成り立っています。基底層で生まれた細胞は。表面へと徐々に押し上げられ、約28日後にでアカとなって剥がれ落ちます。これが肌のターンオーバーです。
- 真皮
- 真皮は「コラーゲン」「エラスチン」のタンパク質繊維が網状に形成し、その間を埋めるように「ヒアルロン酸」などが水分をたっぷり含んだスポンジのような構造になっています。まさに肌のハリや弾力は、この真皮が作り出しています。
- 皮下組織
- 脂肪細胞によって体温を維持して外に逃がさないようにする断熱材としての役割や、血管、神経、汗腺などを保護しています。また外からの衝撃などを和らげるクッションの働きもしています。
真皮の線維芽細胞が美肌の源
シワやたるみの原因は、ストレスや紫外線、乾燥などで肌老化が進み、女性ホルモンの分泌も減ることで、肌の土台を作る美肌成分が減少することにあります。言い換えれば、正常なターンオーバーができる表皮、肌の弾力ハリを保つ真皮、がいかに健康であるかが美肌の源となってきます。この真皮にある、コラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸を作り出しているのが、線維芽細胞で、若々しい肌との密接な関わりを持っています。
- コラーゲン:ハリ
- コラーゲンは真皮の70%を占め、網目状に張り巡らされ肌を支えているたんぱく質繊維です。肌のハリに密接な成分です。
- エラスチン:弾力
- エラスチンは真皮の2%程のたんぱく質で、コラーゲンを束ね弾力のある肌を作る役割を担っています。プルプル肌には重要な成分とされています。
- ヒアルロン酸:潤い
- ヒアルロン酸は真皮の隙間を埋めるゼリー状の成分で、真皮の構造を安定させる役割があります。ヒアルロン酸は1gで6Lの水分を保つことが可能と言われています。
老化を予防し、若々しい肌を維持するために、この線維芽細胞を増やしたり保存したりするトリートメントが美肌への近道と言えるでしょう。
線維芽細胞ケアが可能なレベルを維持
線維芽細胞の働きが活発になると、新陳代謝がスムーズに行われ、ふっくらと弾力のある健康な肌を保てます。しかし、紫外線や乾燥、活性酸素などによって新陳代謝が鈍り、線維芽細胞の働きや細胞の数が減ります。コラーゲンやエラスチンの変性や、ヒアルロン酸が失われ、肌は弾力を失い水分が減少します。結果、真皮組織が緩んだ状態がシワやたるみとなります。いかに線維芽細胞を正常でイキイキした状態に保てるかが大切です。
最近、線維芽細胞に働きかける化粧品も多く販売されていますが、薬事上は「真皮までは届かない」と規定されるため、思ったほどの効果は望めません。やはり、光刺激によるコラーゲン再生、微細針による美容液浸透、EMSやRFラジオ波による刺激活性など、「線維芽細胞ケアが可能なレベルを維持」することがエイジングケアに一番効果があると考えます。