傷をなおす段階で細胞を作り直すアンチエイジング
創傷治癒とは、細胞が傷ついた際に自然と元の状態へと治ろうとする働きのことです。私たちの肌は外傷を負うと、軽い傷であれば創傷治癒のチカラによって肌は自然と元に戻ります。
肌は傷がつくとどうなる?
肌はダメージを受けると次のような現象が起こります。
- 腫れ
- 発赤
- 発熱
- 疼痛
肌に傷がつく=細胞が破壊されたということです。さらに皮膚の下にある血管が損傷すると出血します。細胞が破壊されたままだと、細菌や外環境から守る機能を失い弱っていってしまいます。そこで肌は破壊されて欠けた部分を補うため、新しい細胞を作り始めます。腫れ 発赤 発熱 疼痛 のサイクルを経て、元に近い肌が作られます。
創傷治癒を美容治療で活用
肌は傷がつくと創傷治癒によって新しい細胞を作ります。その時、線維芽細胞が刺激を受けて美容成分を多く生み出します。これがホットショックプロテインです。この働きを上手に使えば、肌は傷がつく前の状態よりも綺麗になることができるのです。
創傷治癒が活用されている施術
- EMSナノペン
- ナノペンは、分かりやすく創傷治癒を利用している施術と言えます。ナノペンは、細かな針が無数についたペン型の美容機器。それを用いて、肌に微細な穴をたくさんあけます。目に見えないくらいの小さな穴です。肌はその穴を塞ごうと創傷治癒が働き、美容成分が多く生成されていくのです。さらに美容成分を注入しておけばそれを養分により良い肌が再生されます。
- 美肌フォト E-LIGHT
- 光フェイシャルは、温度が高くなる光を照射して肌質改善をする美容治療です。この治療も、レーザーの熱によって皮膚を傷つけ、創傷治癒を促します。比較的ダメージが重い治療なので、ダウンタイムも比較的強く出ますが、美容効果は抜群です。
- デザインハイフ
- 美容治療の中でも大きな人気を持つハイフ治療も、この創傷治癒を利用しています。ハイフは皮膚の真皮層に超音波で熱を与えるたるみ治療です。ハイフを照射すると、肌の細胞は熱エネルギーによって軽い火傷を起こした状態になります。(外見では分からないくらいの傷です)火傷を治そうと創傷治癒が働き、美容成分が多く生成されるので、ハイフは肌質改善にもなるのです。
創傷治癒を利用すれば誰でも美肌が作れる?
美容治療には創傷治癒を活用して肌を綺麗にする施術がたくさんあります。しかし、知識のないまま創傷治癒を利用しようと肌をむやみに傷つけるのはいけません。美容治療でも施術直後は傷ついた肌が治るまでのダウンタイムが存在します。傷は基本的に肌にとって負担となるもの。下手に刺激を与えるだけだと細胞は完全には再生されず、劣化することが多いです。
創傷治癒の働きによって体は守られている
健康な皮膚がなければ、体内にある内臓などを外敵(ウィルスや衝撃など)から守ることができません。そのために、ダメージを受けた肌は早急に修復する必要があります。その働きを美容に利用することができるのが美容施術ですが、施術によっては失敗すると傷つけた肌が上手に修復できずボロボロになることもあります。激しい創傷を繰り返すことも皮膚の再生力を落とすことにもなります。